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Milan Fashion Week 2023 Autumn

シンニー

更新日:2024年3月23日


不揃いが織りなす美

2023年9月24日午後。 我々の出番は一番最後だった。 デザイナーは、ショー本番、最後の挨拶のために舞台袖で待つ。画像の右側の奥の方で横から皆を見ていた。 あっという間に全員がウォーキングを終え定位置に立ち客席を向くと、「決まった!」と心の声がした。かっこよくキマった姿に心がぎゅっとなった。 丁寧に言葉にすると「異なる個々の美とそれが合わさった時に発せられる不揃いの集合体の美」そんな感じだ。その凛とした空気は、慌ただしかった準備の忙しさを一瞬にして吹き飛ばす力をもっていた。



多様性というコンセプトの表現

お誘いを受け、即答し、ミラノの舞台を踏むまで約一カ月。プロダクトの十分な準備期間がなかったことも手伝い、今回は結果❝多様性というコンセプトの表現❞となったが、とても意味深いメッセージを残せた気がしている。 プラスサイズモデル桃果愛さんのチームメンバーとしての参加だったこともあり、体型に囚われない自由を表現したのだが、それはそもそも、私が作るプロダクトが潜在的に持つメッセージそのものだったのだ。



自分に魔法をかけるのは自分

人がもし20年生きてきたのなら、その人は20年分の歴史を心と身体に宿している。産み育ててくれた親の人生分をも背負っているかもしれない。そこにはいろいろな事情があったかもしれないし、その事情は変えることのできない性質のものかもしれない。 だから、人は人の外見だけを見て優劣の言葉を投げるべきではないのだ。 私がミラノで出会ったモデル達は、自分の歴史に肯定という魔法をかけて自ら表舞台に立った。彼女達に与えられたたくさんの拍手が、心からの称賛と共感であったことを願う。




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